キラキラ介護とリアリティ介護
ネット上の介護界隈でのみ使われている「キラキラ介護」
まだ検索をかけても出てこないと思います。
パッと見た目とは逆に、良い意味で使われることはあまりありません。
理想ばかりを追って現実を見ないお花畑な思想をもとに介護業務を実践しようとしている人たちを貶める言葉です。
かたやリアリティ介護とはボクが勝手に設定したキラキラ介護と対極の言葉です。
SNSでは毎日のようにキラキラ介護がdisられている様子を見ることができます。
たしかに超多忙な介護現場においては、寄り添うとかアットホームとか「うっせぇわ」と言いたくなるのもわかります。セクハラや暴力をふるう利用者などに寄り添うとかありえないですよね。介護の世界でも世間の常識をもとに、サービスとその対価を冷静に均衡させるのは悪いことではありません。
だけど、ボクはキラキラの立場なんです。
まだ、デイサービスを開設して間もない頃は10人の利用者さんに3~4人のスタッフでした。効率など全く考えていない適当な介護でした。でもそれが楽しかった。気分次第で散歩したり工作したり、いつも笑い声が聞こえていました。
リアリティ介護は考え方がスッキリしています。やるべき作業を淡々と実行する。
作業に見合うだけの報酬をもらい、勤務時間が過ぎると不可侵のプライベートになります。
高齢化が加速するこれからの介護は夢のような事を考えずに、必要な事だけを行うしかなくなってくるのかも知れません。介護職はまったく足りなくなるのですから。
厚労省も来年度から本格的に科学的介護推進体制を整えようとしています。
全国の介護施設からビックデータを集めて根拠に基づいた介護を推し進めるのです。
介護やリハビリテーションは効率化されます。リアリティ介護はより作業化するでしょう。介護職としての経験や優しさの必要性は著しく棄損されます。人間でなくても良くなるかも知れません。もちろんキラキラ介護は(少なくとも介護保険サービスでは)幻のように消え去るのです。