ボクの定年

還暦オーバー!今日もチャレンジ!

セミリタイア事業継承問題

先週末、月に1度の経営会議を開催した。たった3人の会議だ。

年商一億にも満たない極小会社でも、必死で運営してボクらは生活をしている。

一般企業と違い、介護サービス事業は大きな利益が望めないように設計されている。

コロナ禍の中で大幅な売上減にもかかわらず、全員で歯を食いしばり、わずかな利益を分け合った。

ところでボクは子育てを終了した。まだサポートが必要な場合もあるだろうが、子供は自立した。ボクの就労目的の一つが無くなったのだ。年金がもらえるようになれば、もう一つの目的である経済的安定も手に入る。

仕事というのは面白いことも辛いことも盛り沢山だ。人によっては辛いことの方が圧倒的に多いということもあるだろう。だけど目的のために我慢する。頑張る。努力する。親として、社会の一員として、専門職としての使命感が人々を仕事に駆り立てる。そうやって命を削って働いてきた。そしてそろそろ引退する。

仕事をする目的も使命感もすべて小さくなった今、ボクがそのまま社長で居続けることは会社のためにならない。退くべきだと決断した。使命感と頑張れる心身を持つ人に魂を込めた経営を委ねたい。

次期社長候補は2人いる。売上げ重視の現実派とコンプライアンスを大事にする理念派だ。どちらも必要不可欠だから、現状では一人の候補に引き継げる状況にない。事業継承は入口のところで暗礁に乗り上げている。とても難しい。

仮に候補を一本化できたとしても、つぎはお金の問題を解決しなくてはならない。社長は法人(会社)の連帯保証人になっていることが多く、わが社も例外ではない。1千万円ほどのちいさな借り入れではあるが、普通のサラリーマンが連帯保証人になることに対する心理的ハードルはそうとう高いだろう。株式の譲渡にもお金がかかる。バランスシートを読み解く能力がなければ価格の妥当性もわからないだろう。

 今月の経営会議も、会社にとって最も重要な事業継承問題はまたも棚上げされ、介護保険改正への対応といった目先の課題解決のためだけに消費された。