認知症の真実
元気な60歳こもしんです。
デイサービスを2店運営していますが、ボクは認知症のリハビリテーションが苦手です。
一生懸命対応していますが、自分が行う支援法に自信はありません。
多くの講習会や勉強会に参加していますので、知識的には十分だと思うのです。
しかし、認知症は知識だけではどうにもならないほど難しいです。
主に記憶障害を引き起こす疾患
認知症の代表的な疾患であるアルツハイマー型の原因は脳細胞にβアミラーセというタンパク質が蓄積することだと言われています。
そこで脳細胞が機能不全におちいり、結果として主に記憶障害を引き起こす疾患です。
特に短期的な記憶が障害されやすく、認知症テストでは記憶を試されることになります。
ただ、知能の低下は見られないことが多く、初期および中期までは人格も保たれていることがほとんどです。
それだけに本人及び家族は苦しむことになるのです。
記憶の問題なのになにか全人格が否定されたような扱いを受けたり、知能が低下したかのような見下ろしたような態度がとられると、本人と家族はとても傷つきます。
家族が最後まで認めない
ずっと一緒に暮らしてきたご家族さんが最後まで現実を認めたくないようです。
ちょっとぼんやりしているとか物忘れの範疇だとか考えてしまいます。
それで生活に問題がなかったら良いのですが、例えば台所でのボヤ騒ぎなどがあるとご近所さんが怖がって、一気に行動制限とか施設入所などになってしまいます。
コミュニケーションが断絶されると、支援する側される側どちらも孤独
記憶に問題があるとコミュニケーションがとりにくくなります。
多くの小さな記憶を統合させて会話が成立するためです。ちょっとした食い違いで滑らかな会話は難しくなっていきます。
会話が少なくなるとコミュニケーションの機会も少なくなります。認知症を持つ方が孤独になるだけでなく、積極的に会話を試みるボク達も相手の心に気持ちを届けるのが難しくなってきます。言語的はコミュニケーションだけでは不十分で、身振り手振りや顔の表情、身体の動かし方などの非言語的コミュニケーションを試みなければなりません。
時には急に歌を歌いだすなどすこし非常識な行動もコミュニケーションを取るためには有効な事もあります。
知れば知るほど感情移入して辛くなる
真剣に対応すれば、その方の苦悩が見えてきます。問題となるような行動をする方に限って、真面目に現状を改善しようとされています。それが突拍子もない行動に繋がってしまい、さらに適正な行動を取れなくなるのです。
そういう事が分かってくるとその方の気持ちが痛くなってきます。辛いだろうなと落ち込みます。
笑顔しか与えられない
周りの人達は認知症を患われた方をしっか理解してストレスが大きくならないように接することが大事だと言えます。
それでも本人や家族は辛い思いが軽くなることはあまりないでしょう。
ボク達はあなたの味方ですよと目いっぱいの笑顔をみせることしかできないこともあります。