国家は溶けていく
イランとアメリカの緊張はどうにか緩和したと捉えていますが、どうでしょうか?まだ一時的なものだとする意見も多くあります。人は争わないと生きていけないのでしょうか?
強い成長欲はどうしても競争を生み、対立につながります。若い人ほどこれを嫌い、個人での安心と安定を望んでいるようです。
TVから最近の世界をのぞいていると、ボクらが育てられた価値観と明らかに違う考え方を目にします。
例えば、高い給料より休みの多い会社を好む。強力なリーダーシップよりマウンティングやハラスメントの無い職場が尊重される。全体の利益より個人の利益を重視する。
国家はいうなれば概念です。天皇も概念ですし、国民も概念です。たまたまそこに生まれたから、その国の国民になっただけです。国土は最も国家を象徴する実体ですが、紛争が始まれば急に不安定になる要素があります。
グローバルが進み、働く場所や生活する場所を自由に選択する人たちが増えています。そんな人たちにとって、国家とはなんでしょう?税金を納める行政機関でしょうか?自らを縛り、安全を確保する組織のことでしょうか?
多くの国では国家とは政府になっている気がしてなりません。政府が領土と民衆を守り支配するための器が国家だということです。
だから、領土と民衆を守ることができなければ、支配する事も出来なくなる。為政者が国民を守るのは自分のためでもあるわけですね。
国民と国家が持ちつ持たれつの関係だとしたら、互いに自分の利益だけを主張すれば関係は悪化します。
それでも、逃げようとしても逃げられなかった時代は国家は民衆を支配できました。
今は逃げられます。自由とはいきませんが政府の支配からは逃げることはできます。
逃げられないとしたら、それは個人の経済的理由でしょう。
イランの民衆に、北朝鮮の民衆に経済力があれば、彼らは国外に脱出する事は出来るはずです。プライベートジェットを持たなくてもね。
インターネットは全世界の民衆に経済力をもたらすでしょう。スマホだけで情報と資本を得るチャンスを手に入ることができます。
彼らはまだ気づいていないでしょうが、YouTubeはたった1000人の登録と4000時間の視聴時間で収益化できます。アラスカのエスキモーがアザラシを追うのではなくて、そこにしかない大自然をYouTubeにアップしたら、収益化は難しいものではないでしょう。アフリカの生物のドキュメンタリーも視聴回数は莫大なはずです。
これから大人になる世界中の若者のエネルギーは、間違いなくこの経済力という課題をクリアしてくるでしょう。
ボクら、もう大人である者たちは、彼らのじゃまをしない。それが大事じゃないでしょうか?大人が自分以外の人のために謙虚に生きる。そうしないと世界はまた暗黒の時代に突入しそうです。
世界はもっとグローバル化します。そして国家は勝手に溶けていきます。もしそれを阻む者がいるとすると、それは為政者と力の衰えた老人です。力の衰えかけたボクには、とても良くわかります。
さっそく迷走しています。
それでは、また明日。