プラン75を鑑賞
Amazon Prime Videoで「プラン75」が視聴可能になっていました
以前から見たい映画の筆頭だったので、仕事をさぼって鑑賞しました
第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品
初長編作品に与えられるカメラドールのスペシャルメンション(次点)に選出
第46回 日本アカデミー賞(2023年)ノミネート
ボクの期待が大き過ぎたせいもありますが、深い感慨を持つことはありませんでした
始めからこのような制度(プラン75)に疑問を呈しているのがわかるような、予定調和
全編にわたる暗い雰囲気
夜や雨の場面が多く、登場人物に笑顔が少ない
生活困難の理由を経済面だけしか描いていない
とても雑な制度設計
映画の中では、まだ心身共に健康でプラン75を使わなくても(生活保護を受けても)大丈夫な人たちの葛藤を描いているので、ちょっと拍子抜けしました
ただし、倍賞千恵子さんのお顔の皺には感銘を受けました
映像的誇張もあったんですが、彼女が魂をこめて役を演じている本気がうかがえ、尊敬の気持ちになりました
脚本として、自分で無茶な設定をして、それを無茶だとオチをつける滑稽さを感じずにはいられません
ラストシーンだけでも、もう一歩踏み込んだ表現があったらなあと思います
映画の中のプラン75という制度は、もちろん実現することはない架空の設定です
しかし、自ら死を選択する権利については議論する価値はあるだろうと感じています
回復が望めない多大な痛みを伴う病気や障害、寝たきりで意思の疎通もできない人の人権を考え直すきっかけとなる映画では?と期待したのですが、問題が大きすぎますよね
鑑賞者がそれぞれの思慮をもって新しい視点や考察をうながす内容ではなかったです
それが可能な素材だったから、なおさら残念です