老後の豊かさとは
日本は衰退期に入ったようです
生産性においても技術革新においても先進国の中では下位に甘んじるようになりました
また、少子高齢化が深刻化しており、年金など社会保障制度の改悪は避けられない状況になってきました
先日、「続・下流老人」という本を読みました
貧困にあえぐ高齢者の実状が丁寧にレポートされており、身につまされる思いでした
ただ、筆者はあまりにも経済的側面でしか老後生活を観ていないのではないかと感じます
第4章では”日本の老後はカネ次第”とまで表現しています
確かにお金がないと不自由です。命の危険すら増大させることがあります
だけど豊かさはお金の多寡に比例するものでしょうか?
高齢者にとって、豊かさとはこころの有り様だと思うのです
笑うこと、愛すること、感動すること、自由を喜ぶこと
他人を尊重し慈しむこころ、質素な食事にも感謝できるこころ、自分の命すら達観できるこころ
老人だからこそ、お金に振り回されずにこころを自由に開放できるのではないでしょうか?
カップラーメンと豪華なフランス料理にどれほどの価値の違いがあるのでしょうか?
安い物を食べてもジジイ、高い物を食べてもジジイ ジジイに変わりはない
栄養素なんて気にする歳じゃないんだから美味しく食べられたらそれで良い
そんなことより川原の土手のつくしんぼだったり、友達とのバカ話のほうが大事に思えて仕方がない
高齢期は収穫期とよばれることがあります
収穫される物はお金だけではないはずです
最も重要なのは人生の成熟度だと思います
競争やしがらみから解放され、こころを自由にできる時期です
この豊かさは決してお金で手に入れることは出来ません