ボクの定年

還暦オーバー!今日もチャレンジ!

荷物が多い女

バッグを2~3つ持って、アヒルのようによたよた歩くおばさん。

残念ながらボクの妻もその一人です。

彼女たちは、いったい何をバッグに詰めているのか?

不思議に思いますよね。ボクもそうでした。

 

一度、何が入っているのか、聞いてみたことがあります。

とても嫌な顔をされました。

「なんでそんなことを気にするの?」

カウンターで質問返しされました。

どうも、彼女のバッグには他人には不可侵の聖域があるようです。

 

それでも一緒に外出する機会は多いので、ちらちらと中身を覗いたりしてみました。

財布や化粧ポーチはあって当然ですが、高確率で食料を目にします。

飴ちゃんやグミや干し梅が入っています。

菓子パンも時々発見できます。

非常用食料は、お腹の周りに「脂肪」としてしっかり蓄えられているのに不思議です。

奥の方に裁縫道具もありました。

もちろん、外出先でも自宅でも、裁縫しているところを見たことはありません。

今後もないでしょう。いや、一生に一度くらいは必要になる場面があるかもしれません。

きっとその希少な機会のために裁縫道具はバッグの底で惰眠を貪っているのでしょう。

そのほか、タオル、薬(鎮痛剤やムヒ等の虫刺され薬)、ポイントカードホルダー、ウエットティッシュなどを確認できました。

まだまだ、未確認の物質があると思われます。

 

でも、ボクはボクの妻を、世の中の荷物が多い女性をディスっているわけではありません。彼女らは健気にもボクや家族のために、毎日「安心」を持ち歩いているのだろうと思います。

困ったことが起こらないように、もしもの時は最善が尽くせるように、準備しているのです。その事で多少歩き方がアヒルのようになっても、荷物で筋トレできるくらいの重量になってもバッグを減らすことはありません。

ドラえもんのポケットは四次元に収納されていて問題ないですが、現実はバッグがふくれるだけです。

ボクが手ぶらで出かけようとすればするほど、彼女は準備します。

途中で熱中症にならないように麦茶が必要だと。

 

人によって幸せのかたちは違うと思います。

安心が幸せだとしたら、持ち物は増えていくでしょう。

安全のために重装備をしたくなります。そんな気持ちを否定できません。

下手な生き方になりますが。