セミリタイア→ひとりを楽しむ方法
昔、大学生だった頃、油絵に没頭した。
ひとりでキャンバスに向かい、自分の内なる感情にむきあっていた。
ただ「綺麗」だとか「苦しい」とかほとんど生産性がない作業を黙々と続けていた。
本当にバカみたいでどうでもいいような「俺を見てくれ」「可哀想なわたし」を具現化する意味はないかも知れない。
だけど、絵をかくときには感情が動く。
自分の感情の動きを楽しむことができる。
セミリタイアすると、少しずつ一人の時間が増える。
会社に行かなくなる。お客さんと話をしなくて済む。部下への指導も無くなる。
趣味とか健康作りとか好きなことをして過ごす時間が増える。
遊び相手は自分自身。主観と客観を行き来して何かを見つけようとする。
たとえばウォーキング。まったく考え事をしないで歩く事はできない。
自然と自分に語りかける。自宅に戻った時には、ちょっとだけ歩く前と変化していることに気付くはずだ。
たとえばひとり旅。頼りない老いぼれた肉体を、広い世界の中にぽつんと置く。
自分の存在がとても小さいけど、かけがえのないものだと自覚する。
たとえばひとりゴルフ。ミスをした自分を反省して、それを許す。そして次打に希望をを託す。繰り返しながら、自己肯定感を固めていく。
もしかすると、それはカルチャーに昇華するかもしれない。