ボクの定年

還暦オーバー!今日もチャレンジ!

楽天カードを作ったが、欲しいものがなくて困った、いや笑ったw

おちこぼれの高校生だった頃、一番の望みは大学生になって北海道をバイクで旅することだった。それが自分を変えてくれる唯一の方法だと思っていた。いま考えると滑稽な話だが、真剣に考えていた。当時は何も持っていなかった。お金もバイクも教養も。ほぼ「無」に近い存在だった。いてもいなくても問題にならない何物でもない人間がボクだった。当然、欲しいモノだらけだ。モノを手に入れるのが自分を何者かに変える最初のハードルだと考えていた。

大学生になってバイトして小さなバイクを買った。だけど北海道には行けなかった。現実をしっかり見た結果、近県への1泊2日の旅になった。大学時代は絵の具を買った。50号や80号の大きなキャンバスに高い絵の具を塗りまくった。それで評価の高い絵が描けたかというと、そうでもない。4年の秋に部室の裏で全部燃やした。

お金で買えるモノはボクの欲しいモノとは少しだけズレていた。買ったモノで経験できるコトが欲しかったのだけど、それは容易に手に入らないことがわかった。だけど大学を卒業して自分でお金を稼ぐようになっても、いろんなモノが欲しくなっていろんなモノを買い続けた。パソコンを買い、ビデオデッキを買い、バイクを買い、家を買い、ポルシェまで買った。全部の買い物に後悔していないし経験を豊かにしてくれるモノばかりだったけど、買う前になんとなく想定していたワクワクに満ちた状態が継続していることはない。モノは所詮モノだ。最近はワクワクさえなくなっている。ドライバーを新しくしても(型遅れ)それでスコアが良くなることはないと知っている。windows10に変えても使いづらさが先に来る。最新型のロードスターを売り払って25年前の初代ロードスターに乗り換えた。 

もう欲しいものが無いのです。

家も買ったし(ローンは残っている)車道楽も落ち着いた。家電は定期的に壊れるけど困ることは無い。田舎のゴルフは5000円くらいで出来るし、映画はamazonプライムでどうにかなる。子供にもお金がかからない(孫が生まれれば話は別)87歳の母親は元気で、あろうことか食費を月に6万円も入れてくれる。シニアの支出の定番である旅行もコロナ禍では気軽に行けず、お金をつかう機会も無い。もうボクは消費者として終わっている。内館牧子の「終わった人」だ。

楽天市場を見渡しても欲しいモノは見当たらない。