趣味の楽しみ方 クルマ編
正直、失敗しかけたクルマの趣味。いろんな考えがあるでしょうから、ここでは僕なりの楽しみ方を紹介します。そもそも趣味って独りよがりなところがありますよね。
好きなようにするのが趣味だと思っています。
小学校高学年の時にフェアレディZが発売され、中学生の頃がスーパーカーブームだったと思います。カウンタックやポルシェ・フェラーリなどキラ星のようなあこがれの存在でした。あまりにも高価すぎて、個人で所有している人はいないと思っていました。もちろん僕も所有とか考えていませんでした。そして、大学生になると生きるのに必死で、クルマのこととか意識しない生活をずっと送っていました。
クルマなんてただの道具でした。
スーパーカーが好きだったなと思いだしたのが、55才を過ぎた頃。妻も僕もファミリーカーに乗っていて、あれっ!座席は10席もいらないんじゃない?と気づいちゃたのです。あとは軽自動車にするか2座席のクルマにするかの選択肢です。それで、ネットで調べたらすごい事がわかりました。
中古ならあのクルマも買えるって。
中古車のインターネットサイトが良く出来ていて、2時間でも3時間でも眺めていられます。すっかりクルマ好きになっていました。そしてポルシェしかないだろうと思ったんです。サーキットの狼で早瀬左近が乗っていたポルシェ911カレラ。空冷ポルシェの値段が高騰する直前でした。300万円台で手に入ります。プリウスに400万円出すくらいなら、絶対コッチでしょ男なら。
バカなんです男は。
でも、結果的には空冷は買えませんでした。維持費がすごい。で、購入したのが987ボクスター。たしか8年落ちで270万円でした。程度は良かったです。暇さえあれば意味もなく走っていました。ブレーキの性能にはとても驚きました。100km/hの速度では事故があり得ないと思えるほど良く止まります。こんな高性能車が270万円で手に入ることにも驚きです。
売値も260万円でした。
1年半乗って、買値とほぼ同額で売れたことについては、満足です。それに、ポルシェを所有したという経験はそれ以上に満足感があります。子供の頃の夢を一つ実現できたのです。ただ、ポルシェというブランドは会社の社員にはすこぶる不評で、経営にも影響が出始めました。ロジカルには問題ないのだけど、感情に対する配慮が足らなかったと反省しています。
同じあやまちを繰り返します。
ボクスターを売ったお金は、事業所の改築費用の一部になりました。それで2年ほどは会社の軽自動車で移動していました。ゴルフをする機会が多くなり、正直、軽自動車で乗り付けることに気が引けていました。それで、今度は国産の、マツダ ロードスターを新車で購入です。すみません。360万円くらいでしたが2座席です。快適なクルマでした。長距離でも疲れない、運動性能も申し分ない、僕にとっては理想的でした。
ここでやっと、本題です。
趣味性の高いクルマは、世間一般の方々からの理解度は低いです。それが個人のプライベートな会計であっても、不真面目な印象を与えてしまう事があるでしょう。クルマという趣味はその視線との戦いです。人に見せて自慢したい人は別ですが、普通のクルマ趣味の人は、なるべくこっそり楽しんでいます。眺めて、磨いて、走って、整備して保管する。なんだか肩身の狭い趣味になってしまいますが、機械が機嫌よく動いて、それと自分の気分がシンクロする瞬間は、やっぱり至高の時間です。嗜好だけに。
現在は、ユーノス ロードスターの初期型を相棒としています。これはなんと10万円でした。24年落ちのボロボロ状態だったので、当たり前かもしれません。少しずつ直して快適に走れるように整備しています。楽しみは拡がって、クルマと接する時間も増えました。そして、ここにきてやっと周囲の視線が柔らかくなりました。やっと僕の趣味を理解してくれているようです。
遅くて、疲れて、あちこちから異音が発生するとても手のかかるクルマですが、充実した時間が過ごせています。今日もどこかを直そうと思っています。