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いったいどういう意味?介護予防という言葉

介護予防の交付金倍増 20年度400億円 自治体の競争促す 東京新聞2019年11月17日 朝刊)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201911/CK2019111702000144.html

 

こんなニュースがリハビリテーション業界では議論を呼んでいます。

 

そもそも「介護予防」という言葉は介護保険法の中に位置づけられた言葉です。

厚労省では介護予防とは「要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護状態にあ ってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」と定義される。としています。

 

その介護予防の予算を2020年度に2倍に引き上げる方向で、検討が進んでいるとのニュースが文頭の引用です。内容は、地域包括ケアの一環としてこれまで以上に介護予防に取り組み、成果が表れた自治体に多くの予算を交付するというものです。逆に消極的な自治体には少ない金額しか交付されず、実質的に自治体間の競争を促す内容になっています。

 

僕が考える問題は二つあり、一つは実質的な実施主体が地域住民であること。もう一つは介護状態になる事があたかも悪い事をしたかのような空気ができてしまうのではないか?という事です。

 

国が強力に推進している地域包括ケアは、地域住民が主体となる活動が含まれており、この介護予防活動も町内会や自治会の有志が自発的(ほぼ、ボランティア)に健康体操や認知症予防のためのお茶会などを開催させようとしています。自治体によっては、開催の為の予算(会場費や会場の冷暖房費等)まで自分たちで捻出しなければなりません。さらに、運動や病気の知識が不十分なボランティアでは、かえって健康を損なう危険性もあります。事故が起こった時の対応など、大きな課題と思います。昨日の僕のブログにも関連した文章を掲載しています。

 

次に、自治体間で交付金獲得競争が起こったとき、介護予防の成果を示す指標が重要になってきます。この指標のために、必要以上に運動教室を開催したり、止む負えないことで要介護状態になってしまった人たちが、精神的に引け目を感じる事になるのではないかという懸念が出てきます。最近は自己責任論が目立つようになりましたが、それは高齢者等にとってはすごく厳しい事なのです。どんなに地道に努力しても、人間は機能低下する時が来ます。また、先天性の疾患など、どうする事も出来ない事象も多くあります。自立偏重が進むと、我々の社会は生きづらくなるはずです。すべての人が安心して暮らせる社会を目指したいと思います。

 

二つの大きな問題はありますが、総合的にみると、少しでも医療・介護費を抑制できる施策は積極的に取り組んでいかなければいけないと思います。超高齢化は避けられない現実です。このままでは若い人たち社会保険料はどこまで膨れ上がるかわかりません。できる努力は全部やるくらいの覚悟で臨みたいと思います。

 

既存の医療・介護サービスの利用抑制につながるといった反対意見もあるようですが、そんな既得権益を守る必要は全くないです。むしろ不必要な医療・介護サービスは淘汰されるべきでしょう。