ボクの定年

還暦オーバー!今日もチャレンジ!

起業の考え方(私見)

60才を過ぎると、働き方が今までとは少し違ってきている人が多いのではないでしょうか?定年で退職する人、役職定年で一般社員として働き続ける人、新しい会社に再就職する人、そして自分で事業を始める人。何が正解かは誰にもわかりませんし、比べるものでもないと思います。大事なのは、まだまだ若くて可能性も十分にある人生を、いかに輝かせるかではないでしょうか?

 

いろいろな働き方がある中で、僕なりの起業の考え方を述べたいと思います。

僕は今年で60才になりましたが、44才の時に介護保険制度を利用したデイサービス事業で起業しています。2才年下の妻と一緒に仕事を始め、以来16年間、おおよそ楽しく、充実した生活を送ることができました。なぜか貯金はできませんでしたが(笑)わかったのは、サラリーマンより圧倒的に毎日が楽しいという事です。もちろんストレスも多く、お金や人間関係で苦労する事もありましたが、生きている実感がはっきりと感じられます。そして、働くという意味が、なんとなくではありますが、解るようになりました。それは体験しないと解らない感覚なのかもしれません。リスクがあり、成功するかどうかわかりませんので、人に勧める事はできません。でも、だからこそ生きている実感が湧くのではないでしょうか。

 

起業の始まりは、心の在り方です。どうしてもそれがしたい!寝食を忘れ没頭できる状態になる事です。趣味の延長でも、今までのキャリアの延長でも構いません。しかし、完全にハマる覚悟が無いと、成功確率は非常に低いです。まずは覚悟が必要です。

 

次の段階は信用の蓄積です。どこの誰ともわからない人間に信用はありません。顔を覚えてもらうところからはじめて、少しづつ人間性を認めてもらう。それから仕事につながっていくのだと思います。ただ、それは簡単ではありません。顔さえ覚えて貰えずに心が折れる起業家も多いと思います。信用は短時間では培う事さえ困難なのです。しかし、あなたに多くの資産があるのなら、それは信用に変えることはできます。本物の信用ではありませんが、今の世の中では、お金で一定の信用を得る事が一般的です。良い事か良くないことかは別にして、それほどお金の力は絶大です。ただ、僕を含め、お金があまりない人にとっては、技術や資格または時間と労力をフル回転して使う事で対抗するしかありません。

 

そのためには、自分の時間と労力を積極的に投資する事が効果的です。採算度外視のサービス提供を事業への投資と考えればいいのです。無料か、それに近い料金で仕事を請け負います。その時になってやっと顔を覚えて貰い、仕事をやらせてもいいかなと信用してもらえるのです。よく、この段階で時間と労力をケチってしまう人がいます。僕の友人も良い技術を持っていながらも、この無料サービスを配布する事ができず、なかなか事業を軌道に乗せられずにいます。それまでの設備等への投資を少しでも早く回収したいという気持ちはわかりますが、信用の蓄積には辛抱が必要です。

 

そうしてようやく事業を立ち上げる事ができます。この段階では勇気が必要です。「そんなこと自分にできるのだろうか?」と急に弱気になったりしますが、溢れ出るモチベーションと集中力でぶつかるしかないでしょう。受注時には自信が無くても勇気をもってなんとかするのです。この頃の起業家の精神状態は明らかにサラリーマンとは違っています。

 

その後、軌道に乗せるまで地道な努力を続けなくてはなりませんが、それまでの「地道な努力」とは違い、努力が結果に直結する、やりがいのある努力に変わっています。勝負の時だと自覚ができ、果敢に挑むことができるでしょう。

 

起業が成功するかどうかはわかりません。しかし、起業のプロセスが、あなたに新しい風景を見せてくれるのは間違いないでしょう。労働者と資本家の壁を越えたのですから。