ボクの定年

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僕の事業継承の方法

貯金が無い。44歳でデイサービスを始めて16年。頑張ってきたけれど、貯金がありません。財産といえるのは代表権がある有限会社だけです。

その会社をそろそろ引き継いでいこうと思っています。起業の時はほとんど勢いで、ワクワクしかありませんでした。逆に、事業から手を引いていくプロセスはすごく寂しさを感じます。当たり前ですね。

 

昨日、執行役員を3名任命しました。職員数20名程度の零細会社にしては異様な人事だと思います。一人か二人で引っ張っていける規模ですから。でも、これが僕の事業継承の第一歩になります。

 

デジタル大辞泉の解説 引用

執行役員というのは会社の業務執行を担当する役員。 経営と業務執行の役割分担を図るために、取締役の下に置くことが多い。 [補説]会社法に規定のある「執行役」とは別のもの。 一般に、最高意思決定機関である取締役会の決定に基づいて業務の執行に専念する、役員待遇の従業員という位置づけになる。

 

僕には、24歳の息子が一人、22歳の娘が一人いますが、どちらも会社を継ぐ気は無いようです。世間の、介護職に対するのイメージが良くないことと、自分のやりたい仕事との乖離が大きい事が理由のようです。また、僕自身も介護の仕事は、本当に向き不向きがあると感じているし、向いていない人が無理して業務するには結構なストレスになるだろうとおもいます。なるだけ、好きな事をして暮らしてほしいと願っています。その道が険しくても。

 

よく、自分が作った会社は、自分自身の子供のようだと表現されることがありますが、僕についてもそれはあてはまります。本当の子供も、仮想の子供も、いずれ親の元を離れる時が来る。当たり前のことですが、去られる立場としてはとても寂しい。できれば消極的に、「なんとなく、なるようになった」で済ませたい気持ちはあります。でも僕は、積極的にこの事柄に絡んでいきたい。それが親としての愛情だと考えています。

 

綺麗ごとだけではありません。自分自身の老後(セミリタイア生活)を楽しむためには、ある程度の収入が必要です。唯一の財産である会社を、誰もが納得した形で、僕自身の収入につなげたい。偽らざるところです。

 

まず最初に考えたのは持ち株の売却です。しかしこれはそれなりの税金が発生するし収入は一時的なものになります。わが社の売却益で暮らせるのはわずか数年ということになるでしょう。それなら、そもそも実務をすべて部下に任せ、悠々自適なご隠居社長を続ければいいのではないか?確かにそれでもいいのです。

 

業績は悪くありません。期末には税理士さんから、大型の物品購入の提案があります。それなのにセミリタイアする理由は、会社の成長とそれに伴う社員の待遇を最大限にするには、僕以外の若い感性と行動力が必要だからです。現状維持でそれらを勝ち取るなど、そんな甘い事業は無いのです。だから、僕は身を引きます。そして、冒頭の執行役員の任命につながります。

 

彼らのパフォーマンスを最大限にする事で会社を成長させ、得た利益はリスクを取った彼らに積極的に還元する。彼らはその利益を、また成長のために再投資する。今まで代表取締の僕がやってきたことを、執行役員というリスクを減じた立場で行う。最も大きな効果は、資本家しか知らないお金(資本)の作り方を知覚できることです。これからを生きる彼らに伝えたい視座です。

 

そして僕は65才になる時、今から5年後に、役員報酬を15万円/月まで落とします。その報酬が100歳になるまで続いたらいいなと思います。